2019/10/25

【ヒヤリハット・危険回避】企業が人命を守るには危険を知ることから~ハインリッヒの法則~

今回は仕事におけるヒヤリハット・危険回避について3回に渡りお話していきます。


仕事の場面でヒヤリとしたことがあると思います。
これらの場面は「ハインリッヒの法則」で示されています。
多くの企業が企業活動の一つとして活用しているものですので内容を詳しく見ていきましょう。


ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)

 
 ハインリッヒの法則図
 
アメリカの損害保険会社の安全技師であったハインリッヒが発表した法則です。
「同じ人間が起こした330件の災害のうち、1件は重い災害(死亡や手足の切断等の大事故のみではない。)があったとすると、29回の軽傷(応急手当だけですむかすり傷)、傷害のない事故(傷害や物損の可能性があるもの)を300回起こしている。」というもので、300回の無傷害事故の背後には数千の不安全行動や不安全状態があることも指摘しています。

また、ハインリッヒはこの比率について、鉄骨の組立と事務員では自ずから異なっているとも言っています。



同様の研究として、バードの分析、事故比率があります。

バードの分析(1:10:30:600の法則)

 
 
バードの分析図
 
Frank E.Bird Jr.による、バードの分析があります。
1:10:30:600の法則とも言われています。彼は、297社の175万件にのぼる事故報告を分析しています。その事故報告の発生割合を分析すると、重症または廃疾を伴う災害の起こる割合が1に対して、軽い傷害を伴う災害の起こる割合が10、物損のみの事故が30、傷害も損害もない事故(ヒヤリ・ハット事故)の割合が600になるという分析結果です。



上にあげた2つの法則・分析から重大な事故の背景には多くのヒヤリハットがあることが分かっています。

人間の注意力は常に強度の高いものではなく波のように注意の状態から注意が低い状態へと繰り返しているといわれています。

このことから企業の課題として対応策を講ずることが必要不可欠なのです。

そして、ここまでわかっていても事故は起こりうるものであると認識しなければなりません。


しかしながら、企業側も設備・環境を整備して安全対策を進め以前より危険を察知する機会が減少したがために作業者が危険を感じ難くなっている状態にあります。

ゆえに危険感受性を養う教育を進める必要があります。


次回、危険感受性についてお話していきます。