2019/10/25
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【ヒヤリハット・危険回避】企業が人命を守るには危険を知ることから~危険感受性を養う教育~ |
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前回お話ししたヒヤリハット・危険回避のなかでハインリッヒの法則とバードの分析を紹介し、危険感受性を養う教育を進める必要性についてお話ししました。 今回はその危険感受性について詳しくお話していきます。
危険感受性とは、何が危険か、どうなると危険な状態になるのかを直観的に把握し、危害の程度・発生確率を敏感に感じ取る能力をいいます。
設備・環境の整備等安全対策が進んだことにより、労働災害を目撃する機会が減少し、「何が危険か」「どうなると危険な状態になるのか」を直感的に感じ取りにくい環境になっています。 また、雇用の流動化や就業形態の多様化、設備の自動化・省力化・集約化の進展、 アウトソーシングの進展等による混在作業の増加等、労働者を取り巻く状況が大きく変化する中、職場の安全衛生水準の低下が懸念され、具体的に以下の課題が現れはじめています。 ・現場の実情を踏まえた安全管理のノウハウの消失 ・労働者の熟練度の相対的な低下 ・就業形態の多様化に伴う体系的な安全衛生教育の困難化 ・1人作業の増加 ・担当範囲の拡大・多能工化 ・自動化等に伴う技術のブラックボックス化 ・危険情報の伝達・共有の困難化 こうした実情を踏まえ、若者または未熟練労働者の危険感受性を高める方策の一つとして、危険体感教育(疑似体験)の実施や、作業チーム同士の話し合いが有効であると考えられています。 例として具体的な危険を感じる場面とは、 ・モノを落とす ・手順を間違える ・車など(倉庫内などではフォークリフトなど)が通る部分を作業員が歩行する ・商品の保管場所からの移動 ・作業場の変更 ・暗い場所での作業 ・危険な場所(人目につかない場所)で一人で作業 など、そのあとに起こりうる危険を考えたり、危険と感じた体験談を話し合いをしてみるとよいでしょう。
危険感受性の向上が労働災害を防止する上で重要な課題となっています。 このような課題に取り組む行動を危険予知訓練(KYT)といい、危険を未然に防ぐ訓練です。 次回、訓練の進め方、危険予知訓練(KYT)を行う方法・手順についてお話ししていきます。 |
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