2020/5/14

忘れがちな保険の切り替え手続きのタイミングは?

就職や転職の際に、保険が切り替わるので、その内容と手続きについてお話ししていきます。
保険のイメージ 

国民皆保険制度・公的医療保険とは

 
国民皆保険制度・公的医療保険とは
病気やけがをしたときに安心して治療が受けられるように、必ず何らか の公的医療保険に加入しなければなりません。(国民皆保険制度)
公的医療保険は全ての人に加入義務のある保険ですが、職種や年齢によって加入する保険が異なります。「健康保険」や「国民健康保険」など、普段から耳にする機会が多い保険以外に、「船員保険」や「共済組合」なども公的医療保険に含まれます。ここでは、代表的な保険である健康保険と国民健康保険について解説します。
 
 

健康保険とは

 
健康保険とは
健康保険は会社に勤める従業員や事業者の方が加入する保険です。このように被雇用者が加入する保険は、船員保険や共済組合とあわせて「被用者保険」と呼ばれます。また、健康保険を「社会保険」と呼ぶこともありますが、社会保険は正確には医療保険・年金保険・介護保険・労災保険・雇用保険の総称です。
健康保険はさらに「組合けんぽ」と「協会けんぽ」に分かれています。大企業などは独自の健康保険組合を設立していることが多く、各健康保険組合が運営する組合けんぽには、その企業の従業員や事業者が加入できます。一方、中小企業で働く方は、健康保険協会の運営する協会けんぽに加入することが一般的です。どちらの保険でも、退職者は退職後二ヶ月間に限り継続加入するか選択することができます。
 
 

国民健康保険とは

 
国民健康保険とは
国民健康保険は、健康保険やそのほかの公的医療保険(船員保険や共済組合など)に加入していない方が対象で、保険者は市区町村などの自治体です。具体的には自営業者や農業従事者、フリーターの方が主な加入者となっています。また、企業退職後に任意継続を希望しない退職者も国民健康保険に加入することになります。
国民健康保険は、加入者の納めている保険税と国などからの補助金を財源に、医療費やその他の給付を行っています。
 
 
 

健康保険と国民健康保険の違い

保険証のイメージ
 
健康保険と国民健康保険の違い
健康保険と国民健康保険には、被保険者(加入者)の職業の違いのほかにもいくつか相違点が存在します。
 

保険料の算出方法

 
保険料の算出方法
健康保険では個人ごとに年齢や収入などをもとにして保険料が定められます。都道府県によって所得水準や医療費に差があるため、都道府県間で保険料の調整が行われています。それに対して、国民健康保険では世帯ごとに加入者の数や年齢、収入などをもとに保険料が定められます。被保険者数や所得差などに基づいて各自治体で保険料率は異なります。
 
 

保険料の負担

 
保険料の負担
健康保険の場合、毎月支払う保険料の半分を被保険者が負担し、残り半分は事業者が負担する仕組みになっています。国民健康保険では事業者の負担がないため、保険料は被保険者が全額負担することになります。
 
 
健康保険と国民健康保険では運営している団体が違うので加入・脱退手続きが必要になります。
健康保険任意継続被保険者資格喪失通知のイメージ
 

就職→退社

 
就職→退社の場合
職場の健康保険(社会保険)から国民健康保険に切り替えます。
その際健康保険を脱退し、国民健康保険への加入することになりますが、国民皆保険により強制的に切り替わります。
窓口に行って手続きをすることはないですが、国民健康保険税を納めないと未納・未払いとなり延滞すると延滞金が加算されます。
 

退社→転職

 
退社→転職の場合
職場の健康保険(社会保険)に加入した場合国民健康保険を脱退する手続きが必要になります。
国民健康保険の脱退手続きをしないと、国民健康保険税が課税されたままとなります。
窓口に行って手続きするか、場合によっては郵送で手続きができることもあります。
 

転職した先で会社が健康保険(社会保険)に加入手続きをしてくれて安心してしまいますが、国民健康保険は自身で脱退しない手続きが必要になり
国民健康保険の未納・滞納状況が本人に通知されます。
 
また、年の途中で転職した場合国民健康保険の支払い領収書が年末調整の時期に届くので転職先に提出すると税金控除が受けられます。